「雑草がエリートに勝った」四中工、執念の4強

前半、中盤で競り合う四日市中央工の国吉〈17〉(5日、駒沢陸上競技場で)=武藤要撮影

 全国制覇への大きな一歩――。全国高校サッカー選手権大会(読売新聞社など後援)の準々決勝4試合が行われた5日、
四日市中央工は東京・駒沢陸上競技場で隣県の中京大中京(愛知)と対戦した。

 リードを2度許す苦しい展開になったが、後半ロスタイムの劇的なゴールで2―2の同点。
勢いそのままにPK戦を4―1で制し、優勝した1991年度以来、20年ぶりの4強進出を果たした。
準決勝は7日午後2時20分から、東京・国立競技場で尚志(福島)と対戦する。

 四日市中央工は17分、DF陣のミスでボールを奪われて先制を許した。
その後のPKのチャンスは、相手GKの好セーブに阻まれたが、
35分、浅野の右サイドからのグラウンダーのパスに駆け込んできた田村翔が左足で反応し、同点で前半を折り返した。

 48分、中京大中京にFKを左下ぎりぎりに決められ、再びリードを許すと、そのまま試合が決まるかと思われたロスタイム1分。
FKから前線に送ったロングボールをヘディングでつなぎ、浅野が右足で芸術的なダイレクトボレーを決めて、試合を振り出しに戻した。

 PK戦では、国吉から川島まで4人全員が落ち着いて決める一方、GK中村も1人目のシュートをはじいて防いだ。
樋口士郎監督は「1人ひとりが役割を果たすことで、雑草がエリート集団に勝てた。疲労がたまっているが、気持ちで乗り越えたい」と話した。

(2012年1月6日  読売新聞)