全国高校選手権第6日・準決勝(7日、尚志1−6四日市中央工、国立)四日市中央工(三重)は
FW浅野拓磨(2年)の2ゴールなどで、尚志(福島)を6−1と圧倒した。
四日市中央工が圧巻のゴールショーで20年ぶりに決勝進出。立役者は2得点を挙げたFW浅野拓磨(2年)だった。
3−0の後半32分、右から中央に走り込み、「コースは完璧だった」と左足でミドル弾。
4−1の同44分にはハーフライン手前からドリブルを開始し、相手DF2人を抜き去って独走。
「足には乳酸がたまって動かなかったけど、相手はそれ以上に疲れていたのでは」とGKをかわして左足で押し込んだ。
これで今大会6点目。同僚のMF田村翔太(2年)も前半41分に1ゴールを決めて6得点。得点王争いは、この2人に絞られた。
ただ、浅野の負けん気はハンパじゃない。「田村も6得点? うれしいけど…悔しいし、むかつく。
あいつが(シュートを)外すと、正直、悔しさはない」とライバル心をむき出しにした。
宿舎で2人は同部屋。「オレが決めるよって、2人で言い合っている」と浅野が明かせば、田村翔も「タク(浅野)よりは多く得点したい」
準々決勝の中京大中京(愛知)戦で浅野は田村翔のゴールをアシストしたが「もうアシストはしない。
自分のゴールで優勝を決めたい」と言い切った。
自分の気持ちに正直なだけだ。昨年12月の学校創立50周年記念で、OBの元日本代表FW小倉隆史氏が講演に訪れた。
サッカーの経験談や、けがが多かったプロ生活などを話したが、「まったく覚えていないんです」と笑い飛ばした。
昨年12月31日に妹が誕生し、7人兄弟になった。「6得点なんであと1点取って、兄弟で分かち合いたい」
得点王&全国制覇へ、浅野が最後の力をふりしぼる。 (宇賀神隆)