四中工“V旅館”03年度優勝・国見と同じ…高校サッカー

練習場で顔を合わせ握手をする四日市中央工・樋口監督(右)と市船橋・朝岡監督

 全国高校サッカー選手権は9日、東京・国立競技場で決勝戦が行われる。
9年ぶり5度目の優勝を目指す市船橋(千葉)は、今春の卒業生でJリーグ内定者が“ゼロ”。
FW北嶋秀朗(33)=柏=、FWカレン・ロバート(26)=VVV=らを擁して勝った過去4大会とは違う“雑草軍団”が反骨心で頂点に挑む。
四日市中央工(三重)は、宿舎が2003年度大会を制覇した国見(長崎)と同じだったことが判明。20年ぶり2度目のVに吉兆だ。

 伝説の旅館で団結力が増している。今大会、四日市中央工は、今時、珍しくホテルではなく旅館を宿舎にしている。
それも、平山相太(26)=F東京=らを擁し03年度大会に優勝した国見が泊まっていた縁起のいい旅館だ。
学年ごとの6人部屋で一緒に風呂に入ったり、トランプに興じたり家族同然の雰囲気で過ごしている。

 7人きょうだいのFW浅野拓磨(2年)は「実家ではいつも大勢と過ごしているので、普段と同じ感じでうれしい」とリラックスムード。
現在トップタイの6得点。2トップを組むFW田村翔太(2年)と得点王を争うが、気負いはない。

 7日の準決勝、尚志戦では「ゴールを決めたらベンチの前で喜ぼう」という樋口士郎監督(52)の指示で、
得点ごとにサブメンバーの元に集合して喜びを分かち合った。

 決勝戦は主将のMF国吉祐介(3年)が累積警告で出場停止。「自分がいなくてもできるメンバー。自信を持ってほしい」と仲間に思いを託し、
スタンドから応援する。決勝戦のゴールパフォーマンスはベンチ、さらにスタンドにささげられる。全員で戦い、頂点をつかみ取る。