高校サッカー:四日市中央工 最後まで得点狙う姿勢貫き

【市船橋・四日市中央工】後半14分、市船橋の小出にドリブルを止められる四日市中央工の浅野=東京・国立競技場で2012年1月9日、梅村直承撮影
【市船橋・四日市中央工】後半14分、市船橋の小出にドリブルを止められる四日市中央工の浅野=東京・国立競技場で2012年1月9日、梅村直承撮影

 第90回サッカー全国高校選手権決勝(9日・国立競技場)

 ○市船橋(千葉)2−1四日市中央工(三重)

 電光石火の先制点で引き寄せた頂点に、四日市中央工はあと一歩届かなかった。

 前半1分、右CKを西脇が頭で後方にそらすと田村翔がシュートを放つ。GKに阻まれたが、こぼれ球を浅野が右足で蹴り込んだ。

 中盤の底で攻守に存在感を放ってきた主将の国吉を出場停止で欠いたこの試合。
樋口監督は「攻撃陣の良さを出す」として同じシステムで臨み、国吉の位置に入った生川はボール奪取に奮闘した。

 しかし、「1−0のままでは終わらないと思っていた」と浅野。市船橋の圧力は強く、攻めの起点を作れない。
2トップが相手DF背後を突くこともままならず、終了間際に失点した。
延長戦ではカウンターから決勝点を奪われたが、「守りに入ってPK狙いをしたら、もっと早く失点したと思う」と樋口監督。
最後まで得点を狙う姿勢を貫いた。

 「四中工三羽がらす」と称された中西永輔、小倉隆史、中田一三というタレントを擁した91年度以来の優勝はならなかった。
しかし、先発した8人が1、2年生で、出られない3年生は裏方に徹した。
田村翔は「一体感は出せた」といい、キャプテンマークを巻いた西脇は「国吉の分まで」と気持ちを一つにした。
「自分たちのやろうとした精いっぱいのことはできた」と、樋口監督は晴れやかだった。【江連能弘】